LOVE with a coffee stain
キッチンで彼の残していったメモをみつける。「やあ(ラヴ)」と書いてあった。
日あたりの良い朝食用の小部屋でコーヒーを飲む。メモにまるいコーヒーのあとがついた。
彼はなんとなく傷ついたみたいにみえた。私は目をそらせる。悪いなとも思うし、またそれと同時に腹立たしくもあるのだ。
「そんな風に思ったことってないみたいですわ、ええ。だって私が誰か他の人だったら、私はきっと自分のことが好きになれないんじゃないかしら」
彼はウールの下着をむしりとると、バス・ルームのドアから中に投げこんだ。それから彼は両手を広げた。少女はその中にとびこんだ。
もう喧嘩はなしね、と彼女は言った。
もうしないよ、と少年は言った。