すきなうたをうたう


部屋の整理をするときいつもきまって本類からはじめる。
おもしろいことにそのときの状況がばしっとあらわれる。
だけど残るものはやっぱり同じ。
前回、どうしようかなでもやっぱり持っていこうと思ったものから
次は手放すことになる。
迷う暇もなくダンボールにつまるものはいつも同じ。
でもいつも少し冷静になる。
本何冊か手放しても手放さなくてもたいした差ではない。
だったら持っていく。
服や電化製品なんて手放してもたいした打撃にはならない。
本はね、手放すと楽になるけど、身を削る。

おもしろいものです。
目をつぶればなんでも手放すことができる。
ポスターなんてベルトなんて紙なんて。
そこに抗うのは、手放していいのかという問いだけ。
それさえ制すればどんどん身軽になれる。
でもそれでも手放したくないものがある。
でもそれだって、例えば燃えてしまったと考えれば
自責の念も喪失感もそれほどないだろう。

うううん。うまくいかないことがたくさんある。
うまくいってるようなこともある。
まわりがどんどん変わってあせるどころか、あははなんて乾いた笑いを漏らし。
さすがに少し動揺している。
なんだかすがすがしいようなそれではいけないような
とても定まらない。
とてもキラキラした方向が見える
でもとても不鮮明。

何が好きとか
何がしたいとか
何を求めているとか
何を断ち切りたいとか
そういうことを見定めることがとても苦手。
よくわかるもんだ
感心する。
キラキラしている方向をまっすぐ向いて
歩いているんだね。

もうなんだかよくわからななくなってしまった人よ。
何かを覚悟しましたか。
何かを決意しましたか。

小さいことに
だけどやるべきだろうことに
集中して
やってゆくことしか
たぶんできない。

その先は
あのキラキラの方向に行くだろうか
その近くにでも









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