KYモンスター

はじめは、私にとって(多分ドキにとっても)、
ただの、エキセントリッククリエーチャーだったわけです。
姿かたちは人間のソレではない。
猫のようだけれど、猫然としているかと問われれば、全くノーである。
猫みたいだけど、猫とはいえないなんだかわけのわからない生物。
ただただころげまわっている。
走りまわっている。
跳びはねている。
はっきり言ってKYである。
人間は戸惑い、子猫の生態についてぐぐる日々。
ドキはお得意のうんざり顔できめている。
ああ、もしかしてドキに子猫なんて必要なかったのではないだろうか。
オスじゃなくてメスだったらもしかしてもっとうまくいったんだろうか。
そんなことで頭を悩ませ、広告の仕事など!!!やってられんのです!!!

それが日一日とたつにつれ、
すこしずつすこしずつ猫みたいになっていく子猫。

毛づくろいをする。(おしりもなんとか舐めれるようになった)
スフィンクススタイルで座る。
ただなんとなしに座る。
起きた後の前半身、後半身ののび。
差し出された指にすりすりする。
まどろむ。
つい寝てしまう。
後ろ足で頭をかく。
ゴロゴロいう。

ああ、あなたはやっぱり猫なのですね。
どうか、あなたをこの家に連れてきたことが凶とでませんように。
いや、すでに凶なんかではない。当たり前だ。
私が願うのは、そう、大吉。
誰にとって?
ドキさ。
そうさ。
私にとってはもう大吉さ。
目が合うだけでとんでくるソレを大吉以外の言葉で言い表せようか。
ドキなんかでいうと、大吉なんか超えに超え、あなた、
なんていうんですか、運命?采配?
ほんと、天使です。フォーミー。

ごいしに問う。
おまえも天使か?
私にとっての天使はドキ。
おまえはドキの天使になるか?

兎角、子猫は成長を続けているといえ、
まだ、KYなモンスターである。
超KYモンスター。
このご時世においてここまでKYなのも珍しいなきみ!というくらいのKYである!

ごいしに思いやりを説く日々。
距離感を問う日々。
首根っこをつかみ、おしりをぺんぺんし、
噛み返したり、ドアでしきってひとりにしたりする日々。
猫っていうのはもっとゆっくり座ったり、歩いたり、寄り添ったり、目を閉じたり、
長い時間をかけて毛づくろいをしたり、のびたりして、たくさん寝るものなんだよ。
なんてことを説く日々。
ドキがどれだけ優しいかわかっているのかい?
なんてことを問う日々。

でもね、やんちゃだけどいいやつですよ。
ドキのことも人間のことの好きさ。
その加減がまだできないだけさ。


ドキにこてんぱんにやられても、
5秒後にまた攻撃をしかける!

おーーーい!KY!!!